★ フォーキャスト2026 ★

『フォーキャスト2026』
〔世界経済12のトレンドと 日本の勝ち筋〕
2026年の国際情勢を大予言!
日本経済は
35年ぶりに復活する!
○ 1ドル=180円の到来 ?
○ AIブームの行方■■■■
○ 日米中はどうなる ?■■
本書は、2026年とそれ以降の国際情勢のトレンドを予測したものである。2025年1月20日に誕生したアメリカのトランプ政権によって、世界は激変した。トランプ大統領が新しい動きをすると、それに対して世界が反応する、という構図になっている。ところで、トランプ大統領は誰と戦っているのだろうか。ロシアだろうか、チャイナだろうか、それとも‥‥‥。本書を読めば、世の中で起きている国際情勢の本質をよく理解出来る。また、未来に対して漠然とした不安を抱えている人もいるだろう。ウクライナ戦争に中東情勢、地球温暖化、パンデミックの再来、円安による日本の経済不安、チャイナの脅威‥‥‥。しかし、本書を読み終わったとき、きっと前向きになっているに違いない。特に日本人にとって、トランプ政権の誕生は喜ばしいことであり、日本における高市政権の誕生もあって、2026年はまさに希望の年になるだろう。
2026年以降の国際情勢の予測
予測① アメリカ経済は順調に成長する
予測② エネルギー価格の安定化
予測③ ゴールドの価格は
1オンス5000ドルになる
予測④ アメリカの中間選挙で
共和党が圧勝する
予測⑤ カーボンニュートラル政策は
破綻する
予測⑥ EUは分裂する
予測⑦ さらに円安は進む
予測⑧ チャイナの台湾侵攻はない
予測⑨ アメリカの高関税政策は定着する
予測⑩ 日本の景気は良くなる
予測⑪ 中東は安定化に向かう
予測⑫ ウクライナ戦争は停戦に向かう
大国の政治体制がかわれば
経済もガラリと変わる‥‥
新たな時代を切り開く高市首相、復活するトランプ、対立が深まる日中関係や激動のロシア情勢など、、、2026年は、かつてないほど大きな転換が起こるシグナルが、多数出ています。
この「政治」の混乱のあとに待ち受けるのは、経済の停滞か、大暴落か、それとも急成長か… 政治と経済は、いわばコインの表と裏の関係。表の政治が変われば、それに連動して経済も大きく動く。
よって、潮目が激しく変わるタイミングでは、先行する政治の波を正確に捉えられるかどうかで、投資で得られる利益やビジネスの利益は大きく変わってくるのではないでしょうか?
そこで、今年の「フォーキャスト2026」では、円安や日米の経済、台湾侵攻など…ますます混迷を極める情勢の中で、これからの世界経済はどうなっていくのか?
その日に起きた出来事を、面白おかしく語るだけの大手マスコミのコメンテーターや、あくまで“過去に起きた出来事”を分析するだけの経済学者にはできない・・“政治の変化を通して、経済動向を先読みする”。そんな独自の手法で、向こう数年の、世界経済の大きなトレンドを先読み予測。
さらには・・半導体やAIバブル、金、中東やウクライナなど… 投資家・ビジネスマンなら外せない、今後の世界と日本経済を左右する主要テーマにおいても深掘り。明確なデータと証拠をもとに “役にたつ生の情報”をあなたにお届けします
◆インフレ・エネルギー危機…なぜアメリカだけ株価が暴騰?
AI革命の他にアメリカが握るもう一つの経済復活の策とは?
◆「AI業界、生き残り対決の行方」
第二次AIブームを牽引する “キーマン” の正体
◆ついに解禁…アメリカに眠る「150兆ドルの地下資源」
2026年に変わるエネルギー価格の新常識
◆「日米で株価が最高値更新」
バブルか?本物の成長か?2026年を読み解く3つの鍵
◆自動車に次ぐ“成長エンジン”誕生!?
米AI企業のトップが欲しがる日本の技術とは
◆「1ドル=150円では止まらない」
円安がさらに加速する2つの理由
◆「金価格はどうなる?」
2026年以降の値動きを読むヒントは4つの金需要
◆「中国黄金期の終焉」
コスト安にもう価値はない? 行き詰まった経済発展の成功パターン
◆高市政権で浮かび上がる日本の成長シナリオ
日米関係・ゴールド価格・円安加速を追い風にする方法
== 目 次 ==
はじめに
第1章 2026年以降の
国際政治と経済のトレンド
‥‥‥ 予測 1 アメリカ経済は順調に成長する
‥‥‥ 予測 2 エネルギー価格の安定化
‥‥‥ 予測 3 ゴールドの価格は1オンス5000ドルになる
‥‥‥ 予制 4 アメリカの中間選挙で共和党か圧勝する
‥‥‥ 予制 5 力ーボンニュートラル政策は破綻する
‥‥‥ 予測 6 EUは分裂する
‥‥‥ 予測 7 さらに円安が進む
‥‥‥ 予測 8 チャイナの台湾侵攻はない
‥‥‥ 予測 9 アメリカの高関税対策は定着する
‥‥‥ 予測10 日本の景気は良くなる
‥‥‥ 予測11 中東は安定化に向かう
‥‥‥ 予測12 ウクライナ戦争は停載に向かう
‥‥‥ 三大大国の今後
‥‥‥ 2 0 25の予測を振り返る
‥‥‥ 2 0 26年のまとめ
第2章 トランプ政権のスタートと
「トランプ革命」の意義
‥‥‥ トランプ革命
‥‥‥ トランプ政権誕生直後の動き
‥‥‥ パナマ運河とグリーンランド
‥‥‥ コモンセンス革命
‥‥‥ 国境管理・不法移民対策
‥‥‥ WHOとパリ協定からの離脱
‥‥‥ DEII策の完全破棄
‥‥‥ トランプの施政方針演説
‥‥‥ 順調な軌道に乗ったアメリカ経済
‥‥‥ 支持率が高いトランプ政権
第3章 脱•脱炭素政策
‥‥‥ イギリスの電力価格問題
‥‥‥ カナダのグリーン政策の方針転換
‥‥‥ EUも環境政策を配換しつつある
‥‥‥ アメリカの原子力発電に未来はあるか
‥‥‥ イギリスとスペインの太陽光発電
‥‥‥ 日本の太陽光発電事情
‥‥‥ アメリカのソーラートラッカー
‥‥‥ 撤退が始まった洋上風力発電
‥‥‥ 陸上風力発電
‥‥‥ 石炭の需要は増えている
‥‥‥ 原子力発電のコスト高
第4章 ウクライナ戦争推進の英独仏と
反対のアメリカ
‥‥‥ トランプとゼレンスキーの決裂
‥‥‥ クリミア半島の併合
‥‥‥ ウクライナ戦争を仕掛けたのは誰か
‥‥‥ もしウクライナがロシアに併合されたら
‥‥‥ イギリス・フランスの服の中
‥‥‥ ウクライナ戦争の現状
‥‥‥ トランプ大統領の最後通牒
‥‥‥ トランプ大統領の国連演説
第5章 米露友好史の検証
‥‥‥ アメリカ独立戦争を支接したロシア
‥‥‥ アメリカがロシアを支援したクリミア戦争
‥‥‥ ロシアが海軍艦隊を派遣した南北戦步
‥‥‥ 米露友好の証であるアラスカ
‥‥‥ 第二次世界大戦後のヤルタ会談
‥‥‥ 冷戦の終結を告げる事件
‥‥‥ 第二次ヤルタ体制の幕開け
‥‥‥ 逆ニクソン•ショック
‥‥‥ チャイナ経済の低迷
‥‥‥ アメリカとロシアの友好な関係
‥‥‥ 米露友好関係の新しい動き
‥‥‥ 米露関係の文明的な見方
‥‥‥ 水面下での米露協力の動き
第6章 トランプAI革命の
背後にいるペイパル•マフィア
‥‥‥ 第2期トランブ政権の強み
‥‥‥ パランティアとピーター・ティール
‥‥‥ 自由と治安維持の両立
‥‥‥ トランプ政権の重要人物
‥‥‥ アメリカを世界のAIの首都にする
‥‥‥ アメリカの防衛産業を革新する男
第7章 ドル石油本位制と米経済主権の再確立
‥‥‥ 米ドルは基軸通貨であり続ける
‥‥‥ ドル金本位制からドル石油本位制へ
‥‥‥ 過小評価されているニクソン大統領
‥‥‥ ドル石油本位制の再確立
‥‥‥ 150兆ドルの天然資源
‥‥‥ アメリカン・ドリームを実現したホームステッド法
‥‥‥ 高関税政策によってアメリカ経済は成長する
‥‥‥ 高関税政策の効用
‥‥‥ 保護貿易主義への回帰
‥‥‥ 日本も自由貿易から脱却すべきだ
第8章 最強米軍の復活
‥‥‥ 弱体化した米軍の再建を託された男
‥‥‥ ゴールデンドーム計画の発表
‥‥‥ シャングリラ対話
‥‥‥ 抑止力による平和の維持
‥‥‥ アジア諸国への呼びかけ
‥‥‥ ミッドナイト•ハンマー作戦の意義
‥‥‥ 一元的グローバリズムから多極化世界へ
‥‥‥ 根本的な米軍改革方針
第9章 没落するチャイナ経済と
揺さぶられる習近平独裁
‥‥‥ チャイナ経済の行き詰まり
‥‥‥ チャイナを警戒すべきだ、しかし恐れる必要はない
‥‥‥ GDP無用論が意味するところ
‥‥‥ 光明を見出せないチャイナ経済
‥‥‥ 習近平と人民軍の亀裂
‥‥‥ アメリカ側の全面勝利だった米中首脳会議
‥‥‥ 米中首脳会談での成果
第10章 日米関係、GOLD、円安
‥‥‥ 2025年に行fなわれた2つの日米首首脳会議
‥‥‥ 公明党が連立離脱した高市内閣
‥‥‥ 対米投資5500億ドルの内容変更
‥‥‥ 石破政権が残した移民政策の害
‥‥‥ 岸田l政権と石破政権のバラマキ政策
‥‥‥ ゴールド価格が上がり続ける理由
‥‥‥ 今後も円安は進んでいく
おわりに
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※※※ はじめに ※※※
本書は、2026年とそれ以降の国際情勢を予測するものだ。
第1章では、2026年とそれ以降のトレンドとして、12の予測を明らかにした。
どのように国際政治や経済が動いていくかを簡潔に見ていきたいと思う。第2章以降では、 2024年末から2025年末にかけての出來事を振り返り、なぜ2026年の予測か出てきたのか、その背景を說明したい。
2025年の出來事といえば、何といってもトランフ政権の誕生である。 2021年の大統領選挙に勝利し、2025年1月20日、第2期トランブ政権がスタートした。 トランプ大統領は、大統領就任演説で、「コモンセンス革命(常識の革命)」を宣言した。 そして、その日を「国民解放の日(Liberation Day)」と位置づけた。
そして就住してからたった9日間で、350以上の大統領令を発令した。 その後も大事な政策に関する大統領令を連発している。
その中には、CO2を強要していたパリ協定からの離脱、電気自動車(EV)推進政策の廃止、 不法移民の本国送還、アメリカ国内に眠る資源エネルギーの開発、マイノリティを優遇する政策の破棄、麻薬であるフェンタニル密輸を解決するための高関税政策、AI産業への大胆な投資、言論の自由を阻害する検閲の廃止、無駄な支出を減らすDOGE(政府効率化省)の設置、 強い米軍を復活させるための軍制改革等、 今後のアメリカの情勢、 いや世界の情势を決定するものが多く含まれている。
それらを紐解きながら、現在、国際社会で行なわれている無国籍企業的グローバリズムとナショナリストによる対立を浮き彫りにしていきたいと思う。
本書は、4万円(税別)の有料講座『(The Forecast 2026(2025年11月11日に収録)』を元に、年間20万円(税別)の会員サービス『ケンブリッジ・フォーキャスト・レポート(CFR)』で掲載したことをプラスして、再編集したものである。
また、 筆者の主な情報配信となる有料の映像配信サービス『ワールド・フォーキャスト』も併せてご覧いただきたい。最低3回以上の配信で、国際経済に重きを置いているところから、投資家や経営者に重宝されている。
本書に加えて以上のような情報を活用していただければ、現在の国際情勢を理解きるだけでなく、2026年以降の世界の動きを見通すことができるだろう。これらは、 大手メディアでは決して報道されないことでもある。国際政治に興味がある人、個人投資家、 世界で活躍するビジネスマン、そして日本に住んでいる全ての人にとって、有益な情報となるはずだ。
また、 未来に対して漠然とした不安を抱えている人もいるだろう。ウクライナ戦争に中東情勢、地球温暖化、パンデミックの再来、円安による日本の経済不安、チャイナの脅威等、世界には不安を煽るような事案が多く存在する。
しかし、 本書を読めば、きっと前向きになれるに違いない。 特に日本人にとって、第2期トランブ政権の誕生は喜ばしいことであり、薔薇色とまではいわないが、明るい未来が到来する道が示されたのである。
日本における高市政権の誕生もあり、2026年は、まさに希望の年になるだろう。
国際政治学者 藤井厳喜
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※※※ おわりに ※※※
本書では, 2026年の予測を中心に、2024年末から2025年末に起こった重要な出来事を見てきた。 国際情勢を見ていると、 アメリカのトランプ大統領が何らかの行動を起こし、それに対して世界が反応していることが分かる。
ところで、 トランプ大統領はいったい誰と戦っているのだろうか。アメリカにとての対立軸、一番のライバルはどこなのだろうか。 米ソ冷戰時代は、アメリカ対ソ連という対立軸だった。 歴史を遡ると、大航海時代はスヘインとポルトガルが対立軸だった。
そういう意味では、 アメリカ対ロシアが一番大事だと思うかもしれないが、実際はそうでもない。アメリカ対チャイナという対立軸は、確かにチャイナがアメリカの覇権に挑んでいるという意味で大事ではあるが、それも表層的なことでしかない。
最も重要な対立軸は、実はアメリカとイギリスの対立なのではないか、と思っている。イギリスといっても、イギリスの一般国民ではない。ナショナリズムを基盤とするアメリカ合衆国とグローバリズムを基盤とする、筆者の言うところの「英国守旧派」の対立である。
アメリカは1776年にイギリスから独立したことになっており、2026年で独立250周年を迎える。ところが、アメリカのイギリスからの独立連動はいまだに続いているのではないか。そういった見方もできる。
第二次世界大戦後、 大英帝国は、形の上では崩壊した。しかし、今でも英国連邦に加盟している国は56カ国に及び、世界の陸地面積の21%を所有し、人口は24億人もいる。オーストラリアやカナダは英国連邦に所属しているため、各国の国会議員は英国元首に忠誠を誓わないといけない。
また英国王室は、 世界に66億エーカーの土地を所行する世界最大の不動産王である。 英国の海岸の約半分、また海底の土地まで所有している。これがイギリスに洋上発電の多い理由なのではないかと推測する。
大英帝国の旧植民地はほとんどが独立したが、植民地帝国の遺産を結集した国際的な統治と利権のシステムは生きており、「グローバル•ブリテン」と呼ばれている。
第一次世界大戦前の大英帝国は第一次グローバリズムであり、人類が経験したはじめてのグローバリズムでもあった。
一方、1970年から現在まで続くのが第二次グローバリズムである。これは国民国家から遊離した無国籍企業のネットワークと考えることができる。この第二次グローバリズムを推進しているのが、タックスヘイプンを支配する英国守旧派である。
トランフ大統領のMAGA運動は、グローバリズムの支配からアメりカが自由になるための運動であるが、言い方を変えれば、現在における英国守旧派からの独立運動なのである。
ロシアゲート事件は、単にアメリカ国内のリベラル派による、保守派のトランプ大統領へのクーデターの試みだったのであある。
オバマ政権・バイデン政権では、イギリスのMI6がアメリカのCIAをコントロールする形で、アメリカの外交が支配されてきた。アメリカ国内のディープステートと呼ばれるものは、英国守旧派によるアメリカ支配のための出先機関であり、イギリスの紐がついているアメリカ国内のグローバリスト勢力なのだ。
だからこそ、 トゥルシー•ギャバード国家情報長官は、アメリカの全ての情報機関に対して、情報をファイブ•アイズと共有しないように指示を出した。ファイブ•アイズとは、アメリカ、イギリス、カナダ、オ—ストラリア、ニュージーランドの5カ国で機密情報・(特に諜報。安全保障関連)を共有する情報同盟(ネットワーク)である。つまり、トランフ政権はイギリスと英国連邦とは情報を共有しないということである。逆に言うと、ファイブ•アイズはM16がアメリカを支配するためにつくった情般機関同士の枠組みとも言える。
第4章でも述べた通り、2025年9月17日の米英元首会談では、イギリスの
チャールズ国王はトランブ大統領に環境問題(CO2排出規制の推進)ウクライナ支援を要求した。また、9月23日の国会演説で、トランプ大統領は「現在のヨーロッパを破壊しているのは、大量移民政策を強く推進している一人が、イギリスのチャールズ国王なのである。
旧英国エスタブリッシュメントの一番上にピルグリム•ソサエティという団体があ
り、そのトップがチャールズ国王である このビルグリム•ソサエティが、華やかな王室外交を介して、アメリカのエスタブリッシュメントのエリートを懐柔し、その下
でイギリスの諜報機関がアメリカのディーブステートを支配しているのだ。
イギリスのシティを中心とするタックスヘイプン•ネットワークは、世界の富裕層の脱税システムを管理する形で、 大英帝国の影の支配は続いているのである。 世界経済フォーラム(ダボス会議)や米外交問題評議会(CFR)といったものは、英国守旧派の外郭団体のような存在であある。
チャールズ国王は、世界経済フォーラムの「グレートリセット」の推進者である。グレートリセットとは、より良い世界のために社会の仕組みを大きくリセットしようという考えであり、その中には環境問題が含まれているのだが、過剰人口を解決するための「人類の人口削減」も課題の一つである。チャールズ国王の環境主義には、ナチズム的な優生思想の影響が垣間見える。 その辺りが•マイクロソフトのビル・ゲイツと意見が一致しているのだろう。
グローバリズムは世界を単一の価値観で支配しようとするものであり、全体主義的になるのが必然だ。一部のエリートが大多数の大衆を支配するということだ。イギリスのSF小説『Brave New World(すばらしい新世界)』では、一部のエリートが計画して完全に世の中を支配し、何も知らない大衆の欲望が操られている世界が描かれていた。まさに、そういう世界である。
環境主義というのは、地球全体のCO2排出量をコントロールしようというものであり、自由経済を否定するものだ。それは、社会主義や共産主義といった全体主義的な経済である。つまり、グローバリズムは必然的に独裁制的あるいは寡頭制的にならざるを得ない。
これと対極にあるのがアメリカのナショナリズムであり、主権独立国家によるバランスのとれた多次元主義的な世界である。世界には複数の価値観、複数の文明、複数の文化があり、それぞれが主権独立国家として棲み分けていけばいいという考え方だ。そのほうが平和で自由であり、根本的な世界観の違いを認め合うことになるのだ。 このように見ていくと、アメリカ合衆国と大英帝国の独立戦争は250年続いていると言えるだろう。アメリカの敵はかつての大英帝国ではなく、その遺産を受け継いだ影の大英帝国(英国守旧派)である。 グロ—バリズムを代表する影の大英帝国と、ナショナリズムを代代表するアメリカム合衆国の戦いなのである。
現在、この戦いこそが、 世界を動かしている最も重要な対立軸だと考えられる。 このような英米関係の複雑さが分からないと、今の国際関係の真相はなかなか理解できない。もう一度言うが、今一番大事な国際関係の対立軸は、民主的ナショナリズムと無国籍企業的グローバリズムの対立であり、 国でいえばアメリカと影の大英帝国(英国守旧派)の対立なのである。そのことを念頭に置いて世の中の出来事をみてみると、現在の国際情勢がよく理解できると思う。
2026年1月吉日 藤井厳喜
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※※※ 執筆後記 ※※※
(2026年2月時点でのアッフデート)
第2期トランフ政権は物凄い速度で国際政治経済の構造を転換している。第二次世界大戦終結(1945年)から約80年間続いた国際秩序が今、まさに終焉を迎えているのだ。米ソ冷戦の終結(1991年)後も温存されてきた国連、IMF、世界銀行、WTO、WHOといったグローバリズムの枠組みは既に実質的に機能を失っており、トランプ政権がその解体を主導している。アメリカは既に66の国際機関から脱退しており、これは既存の国際秩序が最早、無意味であるという何よりの証拠である。第2期トランフ政権は意図的、計画的に「新しい国際秩序」を構築しつつあるのだ。
歴史的に見ても、 第一次・第二次世界大戦のような大戦を経ずに、国際秩序が抜本的に変革されることは極めてまれな現象である。現在はそれほど大きなインパクトを持つ転換期にある。
大手メディアはトランプを「世界を混乱させている元凶」かのように報じるが、実際には古く非効率的なシステムが解体され、新たな秩序が確実に生まれつつあるのだ。マスコミの誤った報道に感わされず、この現在進行形の構造転換という「ビッグ・ピクチャー」を捉えることが、現代を生きる我々にとって最も重要な事である。
崩壊する旧体制に代わり、 トランブが描く世界秩序は、多極化とブロック化を特徴としている。世界が一律のルールで動くグローバリズムの時代は終わりを告げ、各国が自国の重要産業を守る「保護主義」が常識となる時代が既に到来している。
アメリカは「モンロー •ドクトリンの再構築」を掲げ、 西半球の安定と繁栄に自国の力を集中させている。そして経済発展地域としては、インド太平洋地域をも重視する。端的に言えば、これがトランプ政権の国家防衛戦略である。これは裏を返せば、ロシアやチャイナといった他の大国の勢力圏には、原則として不干渉であるという平和的なメッセージでもある。
モンロー•ドクトリンはドナルド・トランプの名前をとって「モンロー・ドクトリン」とも改名されている。モンロー・ドクトリンが単なる言葉だけでなく、実行力をともなったものであることは、2026年1月3日の米軍のベネズエラ急襲作戦で明らかになった。ベネズエラは一夜にして、反米国から親米国家に転換してしまった。まさにドローンドクトリンの実戦であある。
国際的には国連に代わる枠組みとして、トランフ政権は「平和理事会」のような実践的な問題解決機関の創設を模索している。貿易もWHOを介さずに二国間交渉が中心となっている。要は、グローバリズムを前提とする既存の国際機関は不要になってゆくのだ。
またこの新国際秩序は世界規模での「富と人との大移動」を引き起こしている。イスラム化による治安悪化や過剰な環境規制を嫌うヨーロッパの富裕層やビジネスマン、研究者等の優秀な人材は、英仏独等の西洋諸国からアメリカ(特にテキサス州やフロリダ州)や移民政策に厳しい東欧(ポーランドやハンガリー)へと大量に流出している。
実は富と人の大移動は米国内でも加速している。WOKE文化が猖獗(しょうけつ)を極め、治安や経済が悪化するカリフォルニア州やニューヨーク州から、フロリダ州やテキサス州への大規模な人口と資本の流出が起きているのだ。今後、アメリカ経済の中心が、フロリダ州とテキサス州になってゆくことは確実である。テキサス州には2026年7月から、テキサス証券取引所が開設される。これはウオールストリートから南部は金融取引の中心が動くことも意味している。
国際的に見ると、ロンドン•シティの凋落は激しく、フランスやドイツの証券取引所は国際的に見ると、ほとんど問題にならないほどの規模である。アメリカ1強経済は今後ますます休息に進む。別の言い方をすれば、欧州の英独仏3カ国の経済後進国化も著しく進展することになる。
一方、欧州では、トランプ流のナショナリズムを実践するイタリア、ハンガリー、ポーランド等が、いわゆる「EU懐疑派」として独自の道を歩むことになる。当然のことながら、EU自体も分裂することになる。旧来のグローバリズム推進の国家群より国家主義を重視するイタリア、ハンガリー、オーストリア等がこれと対立する国家集団をつくることとなる。
本書で捉えきれなかった現象も既に起きている。トランプ大統領は2026年1月30日、ケビン・ウォーシュ氏を次期FRB議長に指名した。大手マスコミはウォーシュ氏が手放しの金融緩和派(ハト派)でないことに意外感を覚えたようだ。トランプは単に金利を下げて貰うために、ウォーシュ氏をFRB議長に指名したのではない。ウォーシュ氏は「新しいドル基軸体制」を築くためのキーパーソンであり、ある意味で「FRBを無力化」するための人材登用なのである。
この限られた加筆のページですべてを説明することはできないが、今後、アメリカはあらゆる現物資源のブロックチエーン化(トークン化)を進めることになる。これが金融システムを激変させることは、火を見るより明らかである。銀行や証券会社の役割も、全く異なったものになってゆくだろう。またクリプト(暗号通貨)はステーブルコイン化され、その担保はアメリカ国債である。これは世界中の投資家がアメリカ国債を所有し、アメリカの債務を負担することを意味する。これはドル基軸通貨体制を支える新しい大きな支柱となる。もう1本の従来から存在してきた支柱は「ドル石油本位制」である。 同時にこの金融資産のトークン化は、タックスへイブンとアングラマネーを徹底旳に退治する有効な武器となる。 アメリカの関わる金融システムに接触した途端に、トークン化した資産の過去の来歴が全て明らかになってしまうからである。 これは筆者が言う英国守旧派が支配してきたタックスへイブン•ネットワークを微底的に諦め上げる金融兵器として、恐ろしいほどの殺傷効果を発揮するだろう。
2025年11月上旬に、本書の原稿の大部分を完成させた。その後の国際情勢の進展に合わせて、若干の加筆修正を行なった。そして今、本文の追記として、 この文章を書いている。この間にも、ベネズエラ政変、 イラン騒乱等、 様々なことが起きており、とても書籍の形で激変する国際情勢を分析し、 フォロ一することは不可能である。スピードが追い付かないのだ。そこで筆者がお勧めしたいのが、オンラインで情報配信を行なっている有料会員制のワ—ルド・フオーキャストをご覧いただくことである。最低月3回の配信で、現在進行形の最新情勢を分析し、その時点での予測を会員の皆さんにお知らせしている。この本を読まれた方は、その後の国際情勢の展開については、是非、ワールド•フォーキャストの会員となって、最新情報をフォローしていただきたい。
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