≪≪≪ 消費税の大ウソ ≫≫≫



著者 三橋貴明著

               発行日:2025年7月31日
       経営科学出版
            第1版第1刷発行
                                               ¥1,980


消費税の「大ウソ」の数々

そしてついに
「減税」を邪魔する大ウソが登場した

上記のウソに加え、悪質な「減税を邪魔する」ウソが
蔓延し始めました。

「消費税を減税したら高齢者に有利なだけ」→ウソ
「消費税を減税したら低所得者は苦しむ」→ウソ
「消費税を減税するなら年金の財源はカット」→ウソ

このような悪質なウソに対抗し、減税を実現するために、
今回緊急で新書籍「消費税の大ウソ」を執筆しました。

ハッキリ断言します。
消費税を減税したら、国民は皆豊かになり、
日本経済は大復活します。



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経済低迷の諸悪の根源は、消費税 -----。
日本が世界第二位の経済大国から
転落が始まったのは1997年。
この年に消費税増税が行われ、日本はデフレに突入。
また今に至る「失われた30年」が始まった。
歴代政府は「消費税は社会保障の財源だ」と
説明してきたが、真っ赤なウソだ。
多くの国民がダマされてきた消費税のウソを、
経済問題の論客がズバリ指摘する ―――。

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◇◇◇ はじめに ◇◇◇

 2025年4月21日、信じがたい記事が産経新聞にて報じられた。4月19日、20日に産経新聞とフジニユースネットワーク(FNN)が共同で実施した合同世論調査において、消費税減税への賛否を尋ねたところ、「賛成」が68%となり、「反対」の28%を大きく上回ったのである。
 相変わらず、日本政府、あるいは自民党は、
 「消費税は社会保障の財=源だ」
 という嘘八百を吹聴し、自民党の茂木敏充・元幹事長に代表されるように、「消費減税だと、社会保障を3割減しなければならない」(2022年6月28日、沖縄県北谷町の街頭演説で) と、自民党の有力国会議員が国民を「脅迫」するような、というか「脅迫する」主張を叫んでいるにもかかわらず、国民の多数派が消費税減税を求めている。自民党議員の脅しが通じない時代が訪れたわけだ。それにもかかわらず、自民党国会議員らは、国民を脅迫すれば、歳費を貰える。うらやましい商売だ。

 産経新聞・FNNの調査について、年齢別に回答結果を比較すると、

▽18~29歳 87・O%
▽30代 72・5%
▽40代 74・2%
▽50代 63・I%
▽60代 63・I%
▽70歳以上 58・8%

 と、若年層ほど消費減税への賛成が多い。これは、何を意味しているのだろうか。
 要するに、2024年に顕著になった「物価高」が、特に若い世代を直撃しているということなのだろう。結果的に、多くの国民が「物価を引き下げる」ことを政府に望み、 「社会保障の財源がなくなるぞ」 と、露骨に政治家(特に自民党の国会議員)が国民を脅している状況であるにもかかわらず、「世論」として消費税減税が求められているのである。
 厳密には、物価上昇というよりは、実質賃金の低下が問題なのであろう。実質賃金とは物価の影響を排除した賃金指数である。

例えば、給料が5%上昇していたとしても、物価上昇率が10%だった場合はどうなるだろうか。確かに、名目の給与は増えているものの、それ以上のペースで物価が上がっているため、我々は次第に「財やサービスを買えない」状況に陥っていく。
 これが実質賃金の低下だ。分かりやすく言えば、「貧困化」である。
 逆に、給料の伸びが2%にすぎなくても、物価上昇率がI%ならば、我々はわずかずつではあるが、財やサービスをたくさん買えるようになっていく。これが、実質賃金の上昇である。
 日本の実質賃金は、1997年をピークに下落し続けているのだが、ここ最近は特にひどい。信じがたい話ではあるのだが、日本の実質賃金指数「きまって支給する給与」は2025年2月まで、何と37ヵ月連続で対前年比マイナスなのである。
 現金給与総額は、2024年の6・7月、11・12月にプラス化しているが、これはもちろん賞与の影響だ。つまりは、現在の日本は、賞与を除くと、常に給与の伸びが物価上昇率を下回っていることになる。

 毎月、毎月、物価は上がる。反対側で、給与は少なくとも「十分」には増えない。結果、実質賃金が下がり、貧困化していく。
そんな状況が3年以上(!)も続いているのだ。特に、所得は十分とは言えない若い世代が、消費税の減税を望むのは、むしろ当然であろう。
 自民党の政治家たちは、
 「消費税を減税したら、社会保障の財源がなくなる」
 と、社会保障を人質にとったプロパガンダ(しかも、ウソ)を繰り返しているが、若い世代からしてみれば、「そんな先のことよりも、今の自分たちの苦しみを何とかしてくれ!」と、政治に声を上げているのだ。
 ちなみに、本書で詳しく解説しているが、消費税は間接税ではない。公共サービスを除き、消費税が減税されたとしても、財やサービスの価格が下がるとは限らない(下がるとは「限らない」だけであり、多くの財やサービスの価格は下がるだろうが)。
 そもそも、消費税は「消費」税ではない。日本以外の国々では、消費税は「付加価値税」と呼ばれている。呼称からして間違っているのだ。
 さらには、消費税は社会保障の財源ではない。社会保障の財源とは、我々が支払っている保険料と「公費」だ。公費とは何なのかについては後述するが、いずれにせよ消費税について間違った情報が氾濫し、正しい政策を推進することが妨げられている。

改めて振り返ると、日本で消費税が導入されたのは、1989年。当時の日本はバブル絶頂期だった。
 1989年4月1日、日本で初めて消費税が導入された。導入時の税率は、3%、 その3ヵ月前、第124代の昭和天皇が崩御され、明仁皇太子が即位。元号が「平成」に改められた。
 まさに、この平成の御代こそが、日本の凋落時期と完全に重なる。1990年代初頭のバブル崩壊、95年の阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件。97年の橋本龍太郎政権による消費税増税、公共投資削減をはじめとした一連の緊縮財政。日本経済のデフレ化。
 バブル崩壊と緊縮財政で、総需要不足に陥った日本経済は、何とそれから30年間以上も停滞を続けることになったのである。失われた30年。名目GDPがまったく成長せず、日本国が凋落した30年。
 特に、経済的に響いたのは、消費税だ。89年の消費税導入、97年の税率5%への引き上、2014年には8%、2019年には10%と、消費税の増税が続き、日本経済は低迷を続けることになる。
 なぜ、消費税が増税されるのか。増税のたびに日本経済は深刻なデフレに落ち込む。それにもかかわらず、増税が繰り返されるのはなぜなのか。

 まずは、消費税の正体について探ってみよう。

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~~~ 目 次 ~~~

………… はじめに

第1章 失われた30年は消費税導入で始まった

………… GDPとは実体経済の生産の合計
………… 消費税は家計支出に対する罰金
………… 日本のGDPは600兆円
………… 価格は消費税と無関係に決まる
………… 消費者負担というレトリックの罠
………… 預かり金は事業者が消費者の代わりに収める税金

第2章 「消費税は間接税」という大ウソ

………… 消費税は直接税。間接税ではない
………… 事業者には増税分の価格引き上げの義務はない
………… 損を押しつけ合う不毛なデスゲーム
………… 消費税は価格の一部なのか?
………… 直間比率を是正するという大ウソ
………… 消費税還元セールのまやかし

第3章 社会保障の財源という大ウソ

………… 土光臨調で提言された消費税導入
………… 仕入れ税額控除つきの売上税
………… 財務省に洗脳された歴代財務大臣
………… ギリシャのような財政破綻はしない
………… 社会保障の財源は本当に消費税?
………… 非正規雇用が増えた本当の理由
………… 少子化で問題にすべきなのは日正規雇用男性の大幅増加
………… 価格転嫁できない医療の治療報酬

第4章 税金はサブスクという不都合な真実

………… 国民の格差を角田市する税金
………… 国家財政の入りと出の両方をコントロールしている財務省
………… 財政を黒字化させると出世するのが大蔵省時代からの文化
………… 確実にカネが入るビジネスモデル
………… 税金の役割の一つはビルドインスタビライザー
………… 税金など認めないのが財務省

第五章 大増税に向けて暴走する財務省

………… 所得の逆進性が強い社会保険料
………… 人類は生き延びるために共同体をつくり上げた
………… ナチス・ドイツのSSDと財務省の奇妙な共通点
………… 財務省が消費税にこだわる理由